こんにちは、トキガラデザインの稲石です。
9月になり、8月の茹だるような暑さから開放されていくと思うと
気分が浮き立って来ますよね。
季節も過酷な夏から過ごしやすくて、色々と物思いにふける秋へと移っていきます。
さて、トキガラデザインも2021年の締めくくりのため(今年もあと4ヶ月しかない。。)
新規のお客様への提案準備をしております。
最近はリブランディングのお仕事依頼で、ブランドのペーパーアイテムデザインのお仕事が増えております。
倉庫の中でこれまでの制作実績やサンプルなどを整理していると・・・
出てくるものですね「過去が」・・・。
恥ずかしい過去が。。。
・・・。
・・・。
はい、冗談です。オチはつまんないですけども、プロのデザイナーになる前の学生時代の作品や資料が出て来たんです。
その中には、学校の仲間と開催した「デザイン展」のチラシ(チラシ制作担当だった)やデザインソースの資料や先生の言葉を書き残したものなどが。
そこでようやく、本日のブログのタイトル「デザイナーは感性の仕事?」に触れていきます。
私にもそんな修行時代があった
私にはデザイナーの師匠が3人います。それぞれ得意分野の違う先生で、それぞれに師事していました。
その中のT先生の言葉を紹介します。
デザイナーは確かに感性を使った仕事なのですが、もちろん論理的な思考もないとクライアントの課題を解決していくことは
できません。ですが、デザイナーのプロはやはり一般の人とは違う感性の持ち主が多いです。
なぜなら視覚に訴える視覚コミュニケーションの中において、目から入った情報が人の心を動かさないと、効果につなげるコミュニケーションができません。ですので、人の感性に触れるためには、自分自身の感性を磨き、表現を磨いていくことが必要になります。
さらに言えば、意識してものを見る、感性を磨き続けることがデザイナーには必要な修行だと思います。
T先生の言葉を箇条書きにすると
・感性を磨く→集中してものや物事をよく見る
・注意深くいつも意識して、面白いものはないか、ここは綺麗か、この中でキレイなものは何か?、探し、それらのことをいつも考えている
・デザイナーである以上、一般人と同じ見方ではダメ
・五感を使ってよく見、感じる
(例)昨日の夜、歩いている時すれちがった人は何をしていて、どんな人だった? →頭の中で絵として再現できるか。それらは職業病とでもいうべきもの(行動)
・カメラマンは見せ方をいつも研究している。どこがキレイか光が映えるか
・テレビ・雑誌・映画・写真展・舞台などは勉強になる。なんでも取り入れる。
・ある時、岐阜の市場で見かけた青いリンゴの美しさ(がトラウマになり)今でもリンゴは青いリンゴという印象
以上のような、感性を磨くトレーニングというものを意識的に行なっていくことがプロのデザイナーには必要ということをとことん教えていただきました。
結論的に言うと、
デザイナーは感性の仕事だけど感性だけでは務まらない。
そして、一般人ではキャッチできない感覚を磨いた感性によってキャッチし、それらを文章やビジュアルで表現(アウトプット)し伝わる形に仕上げ、人の行動に喚起すると言うのがデザイナーに必要な能力と言うことです。だからデザイナーには優れた感性が必要だと言うことです。
デザイナーには才能も必要だが、それ以上に努力が必要な仕事
私も、元高校球児だったので、さまざまなトレーニングをして来ました。
デザイナーにも同様に、自分の感性や能力を磨くトレーニングが常に必要だと言うことが分かってスッキリしたのを覚えています。
プロのデザイナーは、生まれ持った才能だけでやるものではなく、不断の努力の下でその力を開花させ仕事として求められて成果を出していく存在なのだと。
だから野球をやっていた時のように、デザイナーとしても人一倍トレーニングを積み重ねれば、いつかプロのデザイナーになっていけるのだ、と言う強い姿勢を先生には教えていただきました。
あれから10数年、プロのデザイナーになった私は、当たり前のようにデザインの仕事をしています。
恥ずかしい過去の作品集を見ながら、よくここから成長したな、という感慨があります。
最近では「マインドフルネス」と言う言葉と取り組みが注目されていますが、
私の理解では「今この瞬間に集中する」と言うことだと思っています。
今、この瞬間に集中し、一つの感覚を研ぎ澄まして見る。それらは感性の仕事と言われるデザイナーにも必要なことのように思います。
過去を振り返り、あの時を思い出し、今一度目指す自分の姿を追い求めてもいいのではないかと思っています。
9月の空に・・・父を思う。
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